もしもデザインの力で世界を救えるのなら… 第一回授業報告

桑沢デザイン研究所で始まったデザイン課題「もしもデザインの力で世界を救えるのなら…」
2012年に始めたシリーズで、空間デザインを専攻する2年生と、豊かな未来を築くためのデザインについて考える、半年間のプログラムです。本日は第一回目の授業。そのご報告です。

 

テーマは「都市の居場所」。
まずは10月までの5回、視野を広げ考えを深めるためにリサーチを行います。
その後、11月からは、10代20代の生きづらさを抱える女の子たちを支援する NPO Bond Project さんをお招きして、実際に渋谷のセンター街などで起こっている状況を知り、彼女たちのためにどんな居場所を作ることができるのかを、考えて行きます。

 

プログラムの進め方は、世界を変えるグローバルな教育プログラムを展開する Design For Change Japanさんと連携し、参加型の授業の方法を考えました。また、先週福岡で参加したRe:Publicさんによるワークショップの手法も、参考にさせて頂きました!

 

こちらが用意した品々↓こういう授業は全く初めてで試行錯誤でしたが、料理の下ごしらえのようで、準備はとても楽しいです。

 

こちらが本日の進行表。Design For Change田代さんからのタイムテーブルを参考にして、分刻みで設定しました。

 

授業は9時にスタート。最近の学生は驚く程出席率が良く、1人の欠席以外、ピッタリ20人揃いました。まず始めに、Ice Break。学生さん一人つづが自己紹介も兼ねて、「自分にとっての居場所とは?」を30秒でプレゼン。たくさんの言葉が出てきます。

 

次に、遠藤による「都市の居場所」についてのインプットを。これまで手がけたプレーパークやコミュニティ・カフェなどのプロジェクトを中心にスライドを見せながら話しました。

 

それを受けて、生徒たちが感じたこと、疑問に思ったことなどを「気づきカード」に書き込みます。Re:PublicさんのWSで使っていたかわいい吹出しPOPカードを、世界堂で発見!やはりカードが楽しいと、みんなも書込みたくなるようです ^_^

 

その後、4人ずつ5グループに分かれ、気づきカードを模造紙に集めます。似たものどうしをグルーピングし、さらに気づいたことなどを書き加えます。分かりやすくイラストにするのは、桑沢生は大得意。たのしい紙ができあがってきました。

 

グループごとにだいたいの話題がまとまったら、次はワールド・カフェ形式でメンバーをシャッフルします。一人だけがテーブルに残り、他のグループの人にどんな話をしていたか説明します。

 

さらにもう一回シャッフルし、お互いに気づいたことを模造紙に書き込んでゆきます。最初はなかなか照れくさそうだった学生も、どんどん手と口を動かし、活発に議論しています。

 

こうやって、20人それぞれの気づきをシェアしたことで、一人一人の興味のポイントがクリアになってきます。それを、一人ずつ書いてもらいました。

 

20人ぶんの興味から、似たものどうしをグルーピングし、5つのテーマに分けてみました。ざっくりと、「SNSなどの現代的な居場所」「状況によって居場所も変わる」「居場所を作るのが苦手な人」「環境と性格形成の関係」「子どもの居場所」の5つ。

 

この5グループに分かれ、リサーチを進めます。まずはステークホルダー・マップ作り。(関係者マップ)それぞれのテーマごとに主人公像を設定し、その人が普段、どんな関係性の中で生活しているかを洗い出して図におこします。これもRe:PublicさんのWSを参考に、アイコンシールを作って、ペタペタ貼ってもらいました。

 

が、しかし、桑沢生はイラストが上手なので、シールをカットするよりも自分で描くほうが早いみたいです(笑。可愛い絵がどんどん描かれてゆきます。

 

できあがったのはこのようなマップたち。関係性をこうやって図に落とすことで、その人にとって何がたくさん影響してそうか?何をどうしたらどんな変化が起こりそうなのか?が浮かび上がってきます。

 

これが上手く描けるか、一番心配していたのですが、デザインの学生はこういったビジュアルな表現がとても得意ですね。ちょっと説明しただけなのに、みな要領を得て、上手にマッピングしてくれました。

 

だいたいグループごとに重要そうなことがらが見えてきたところで、「探索テーマ」と「中心になる問い」を書き出してもらいます。

 

そして、その答えを探るために「誰にインタビューするか」「どこへ観察に行くか」を決めて、発表してもらいました。

 

ざっとここまで、猛スピードでかけぬけて3時間の授業終了。みんなこのような形式の授業は初めてで、最初だいぶ恥ずかしそうでしたが、プログラムが進むにつれてどんどん口達者になり、視野も広まり、考えも深まったようです。

 

何より嬉しいのは、「先生」という私の視点をくつがえす考えを、色々出してくれたこと。「サードプレイスは本当に必要なの?」(それがなくてもいいように、学校や家庭に豊かな関係性があれば良いのでは?)とか、「居場所をわざわざ人が用意するのは本当にいいの?」(自分から見つける力が必要なのでは?)など。我々とはまた一味違う、彼らの描く未来像に、とてもワクワクしてきます。

 

全く初めての試みでしたが、予想以上に活発に参加してくれて、大満足の出来でした。 (^o^)/ 授業のプログラムを工夫するだけで、こんなにも学生たちのモチベーションが変わるのですね。このような方法をもっと日本のデザイン教育に取り入れたく、今後もどんどん発信し、皆様とシェアしたいと思います。

 

来週は、インタビュー先と観察する場所を選んだら、皆でフィールドに出かけてリサーチを開始します。見学したい方、助っ人に来て下さる方、いつでも遠藤までご連絡下さい。どうぞお楽しみに!お待ちしています。(遠藤幹子)

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